
「10年前の車だけど走行3万km」と「3年落ちだけど走行6万km」。中古車を探していると、こんな2台のどちらにするかで迷う場面がよくあります。
先に結論をお伝えすると、年式と走行距離は、どちらか一方だけで決めるものではありません。私たちFRONT LINEが見ているのは、「1年あたり何km走ってきたか」と「どんな使われ方をしてきたか」の2つです。数字の大小よりも、その車の過ごしてきた時間を想像できるかどうかが大切だと考えています。
特に北海道は、雪道や氷点下の朝、長い移動距離など、同じ走行距離でも車にかかる負担に差が出やすい地域です。この記事では、国の統計やメーカーの公表情報をもとに、年式と走行距離の見方を整理しました。
まずは「1年あたりの走行距離」に直して比べる
国の統計では、マイカーの走行距離は1日あたり16.45km
国土交通省の「自動車燃料消費量調査」(2025年度分)によると、自家用で「主にマイカー」として使われている車の1日1台あたりの走行距離は16.45kmでした。これは、その期間に車があった日数(乗らなかった日も含む)で割った平均です。単純に365日をかけると、1年でおよそ6,000kmになります。
もちろんこれは全国の平均で、毎日長い距離を通勤する方もいれば、週末しか乗らない方もいます。あくまで「ものさし」のひとつとして使ってください。
計算は「走行距離 ÷ 経過年数」
中古車の「年式」は、ふつう車検証の初度登録年月(軽自動車は初度検査年)で表示されます。自動車公正取引協議会のルールでも、店頭の中古車には初度登録年月と走行距離を表示することになっています。この2つがわかれば、1年あたりの距離はすぐに計算できます。
| 初度登録 | 走行距離 | 1年あたりの目安(2026年10月時点) |
|---|---|---|
| 2016年10月(10年) | 6万km | 約6,000km |
| 2016年10月(10年) | 12万km | 約12,000km |
| 2023年10月(3年) | 6万km | 約20,000km |
| 2006年10月(20年) | 5万km | 約2,500km |
※表は横にスクロールできます
こうして並べると、「3年で6万km」は1年あたりの距離がかなり多い車、「20年で5万km」はほとんど乗られていなかった車だとわかります。どちらが良い・悪いではなく、それぞれ確認したいポイントが違うというのが大事なところです。
ちなみに、一般財団法人自動車検査登録情報協会の公表では、2025年3月末時点の乗用車(軽自動車を除く)の平均車齢は9.44年、平均使用年数は13.35年です。日本の車は長く使われるようになっており、10年前後の中古車も普通に選択肢に入る時代になっています。
年式が古い車で確認したいこと
走っていなくても、時間とともに傷むものがある
エンジンオイルを例にとると、トヨタはガソリン車(ターボ車を除く)の交換時期の目安を「15,000kmまたは1年」としています。距離だけでなく期間でも交換の目安が決まっているということは、走らなくても時間とともに状態が変わっていく部品や油脂類があるということです。
年式が古く走行距離が少ない車は、「どんな場所で、どれくらいの頻度で乗られていたか」「点検や交換をきちんと受けてきたか」がとても大切です。屋根のある場所で保管され、定期的に点検を受けてきた車なら安心材料になりますし、長く動かしていなかった車なら、バッテリーやタイヤなどの状態を念入りに確かめたいところです。
13年を超えると税金が上がる
年式で見落としやすいのが税金です。北海道の自動車税(2026年度分)では、ガソリン車は初度登録から13年を超えるもの(初度登録が2013年3月まで)、ディーゼル車は11年を超えるもの(2015年3月まで)が「重課」の対象で、乗用車の税率はおおむね15%重くなります(ガソリンハイブリッド車などは対象外)。
車検のときに納める自動車重量税も、13年超・18年超で税率が上がります。

車両価格が手ごろな低年式車でも、何年乗るつもりかによっては、税金の差が積み重なります。車の税金の全体像は「環境性能割の廃止」のコラムでまとめていますので、あわせてご覧ください。
安全装備の世代も年式で変わる
国土交通省は、衝突被害軽減ブレーキ(いわゆる自動ブレーキ)の装備を、国産の新型車には2021年11月から義務付けました。年式の古い車には、こうした装備がもともと付いていないこともあります。家族が運転する車を探している方は、年式と一緒に装備も確かめてみてください。
走行距離が多い車で確認したいこと
距離の「伸び方」によって負担は違う
走行距離が多い車は、タイヤやブレーキ、足回りなど、走るほどに減っていく部品の交換歴が確認のポイントになります。点検整備記録簿が残っていれば、いつ・何を交換したのかが追えるので安心です。自動車公正取引協議会のルールでは、展示時点からさかのぼって2年以内に定期点検整備を受け、その記録簿が車に備え付けられている場合に、記録簿「有」と表示されます。
一方で、距離の伸び方によって車への負担は変わります。ホンダは、平坦な道を一定の速度で走るような使い方を「標準的な使用」とし、それに比べて渋滞でのストップ&ゴーや、エンジンやオイルが十分に温まらない短距離走行などは、部品やオイルの劣化が早まることがある「シビアコンディション」だと説明しています。つまり、郊外や都市間の移動で距離が伸びた車は、メーカーの想定する標準的な使い方に近いと考えられます。走行距離が多くても、整備の記録がしっかりしていれば、十分に候補になります。
メーターの数字そのものも確認を
中古車の表示ルールでは、走行距離計が交換されている場合は「交換されている旨」と交換前後の距離を、距離に疑いがある場合は「?」や「不明」を表示することになっています。プライスボードや見積書の走行距離の欄は、数字だけでなく注記もあわせて見るようにしましょう。
北海道では「使われ方」の差が大きい

ホンダがシビアコンディションの目安として挙げている条件には、「雪道での走行が多い」「外気温が氷点下での繰り返し走行が多い」「短距離(1回8km程度)の繰り返し走行が多い」が含まれています(これらの走行が走行距離の30%以上の場合)。冬の札幌で、近所の買い物や送り迎えだけに使われてきた車は、走行距離が少なくても、この条件に当てはまっていた可能性があります。
雪道を走る機会が多いぶん、融雪剤による下回りのサビも北海道ならではの確認ポイントです。年式が古い車ほど、冬を越した回数も多くなります。下回りの見方は「北海道の中古車は下回りチェックが重要!」で詳しく紹介しています。
反対に、道内は都市と都市の距離が長く、仕事やレジャーで長距離を走る方も多い地域です。走行距離が多めでも、その多くが郊外の道や高速道路だった車は、数字ほど傷んでいないこともあります。

冒頭の2台なら、どこを確認する?
最初に挙げた「10年前の車で走行3万km」と「3年落ちで走行6万km」を例に、確認したいことを具体的に考えてみます。
10年前・走行3万kmの車(1年あたり約3,000km)
1年あたりの距離は、先ほどの全国の目安の半分ほどです。まず聞いておきたいのは「なぜ距離が少ないのか」。セカンドカーとして週末だけ乗っていたのか、長く車庫に置いたままだったのかで、確認するところが変わります。
- タイヤやバッテリーは、距離だけでなく使い始めてからの年数も確認する
- 2016年10月に初度登録されたガソリン車なら、制度が今のままであれば2030年度分から自動車税の重課の対象になる
- 衝突被害軽減ブレーキの義務化(国産新型車は2021年11月〜)より前の年式なので、装備の有無を確かめる
- 冬の短距離走行が中心だったかどうかも、わかる範囲で聞いてみる
3年落ち・走行6万kmの車(1年あたり約2万km)
1年あたりの距離は、全国の目安の3倍以上です。毎日の長距離通勤や、仕事での移動に使われていた車かもしれません。
- 走るほど減るタイヤ・ブレーキパッドなどの交換歴を、点検整備記録簿で確認する
- 距離の多くが郊外の道や高速道路なら、街乗り中心の車より負担が少ないこともある
- メーカーの一般保証(トヨタの場合は新車登録から3年または6万km)はすでに終わっている可能性が高い一方、特別保証(5年または10万km)は残っている場合がある。中古車でメーカー保証を引き継ぐには「保証継承」という手続きが必要
このように、同じ「どちらを選ぶか」でも、聞くべきことはまったく違います。数字の印象だけで候補から外してしまうのは、もったいないことも多いのです。
当店でご成約いただいた車の例
当店のブログでは、走行距離が少ない車の例をいくつか紹介しています。
たとえば「ヴェルファイア ゴールデンアイズⅡ」は、走行3.7万km・ワンオーナー・禁煙車で、寒冷地仕様やエンジンスターターも付いた一台でした。前のオーナー様の使い方がはっきりしている低走行車は、やはり人気があります。

また、平成14年式の「ダイハツ コペン アクティブトップ」は走行約5.9万kmで、20年以上前の車としては距離が少ない部類です。こうした車については、ブログでも「年式を考慮した車両状態の確認は必要」とお伝えしています。距離が少ないことと、年式なりの状態確認は、セットで考えるのが基本です。
どちらを優先するか迷ったときの考え方
最後に、目的別の考え方をまとめます。
- ✓長く乗りたい:年式が新しめで、点検整備記録簿がそろっている車を優先する
- ✓予算を抑えたい:年式が古くても、保管状況や整備の履歴がわかる車を選ぶ
- ✓13年を超える車:毎年の自動車税と車検時の重量税が上がる点も計算に入れる
- ✓走行距離が多い車:タイヤ・ブレーキなど消耗品の交換歴を確認する
- ✓北海道で使われてきた車:下回りのサビと、冬の使われ方(短距離中心かどうか)を聞いてみる
FRONT LINEの在庫は、一般のお客様から直接買い取らせていただいた車が中心です。オークションを通さないぶん、前のオーナー様がどんな使い方をして、どこに保管していたのかを把握したうえでご紹介できます。「この年式でこの距離はどうなの?」といった疑問にも、わかる範囲で具体的にお答えします。
現在の在庫は「在庫情報」からご覧いただけます。店頭にない車も、ご希望の年式・走行距離・ご予算を伺って探す注文販売に対応していますので、お気軽にご相談ください。

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参考・出典
※この記事は2026年10月時点の情報をもとにしています。統計は公表時点の数値で、税額や交換時期の目安は車種・条件によって異なります。個別の車の状態は、購入先の販売店でご確認ください。



