
「90年代のスポーツカーの値段が上がっている」「古い国産車が海外で人気らしい」。そんな話の背景としてよく出てくるのが、アメリカの「25年ルール」です。
アメリカでは、製造から25年未満の車は、原則としてアメリカの安全基準に適合していないと輸入できません。逆に言えば、製造から25年たった車は、安全基準に関係なく輸入できるようになります。2026年10月の今なら、2001年10月ごろまでに製造された車がその対象です。日本でしか売られていなかった車も、25年たつとアメリカの人が買える車に変わる。これが「25年ルール」と呼ばれる仕組みです。
この記事では、札幌市東区で中古車の販売・買取をしている私たちFRONT LINEが、25年ルールの中身をアメリカの当局の資料をもとに整理し、90年代の国産車を手放すときに知っておきたいことをまとめました。
この記事のポイント
- アメリカでは、製造から25年以上たった車は連邦の安全基準(FMVSS)に適合していなくても輸入できる。25年は「製造年月」から数える
- 排出ガスは別の当局(EPA)の管轄。古い車の輸入でも、エンジンが新車時と同じであることが求められる
- カナダには、製造から15年以上の車を対象にした同じような仕組みがある
- 古い車は国内でも探している人がいる。純正部品や記録を残しておくことが、評価を落とさないいちばんの近道
アメリカの「25年ルール」とは
25年未満の車は、原則としてアメリカの安全基準への適合が必要
アメリカに車を輸入するときは、運輸省の道路交通安全局(NHTSA)が定める連邦自動車安全基準(FMVSS)に適合していることが求められます。アメリカの税関・国境警備局(CBP)も、輸入の案内で「原則として、製造から25年未満の自動車は、恒久的に輸入するにはすべての該当するFMVSSに適合していなければならない」と説明しています。
日本国内向けに作られた車は、アメリカの基準への適合を前提に作られていません。そのため、25年未満の日本仕様の車をアメリカに持ち込むのは、NHTSAが認めた登録輸入業者による手続きなどを除けば、原則としてできません。
25年たつと、安全基準に関係なく輸入できる
NHTSAは、「製造から少なくとも25年たった自動車は、FMVSSに適合しているかどうかに関係なく、合法的にアメリカへ輸入できる」としています。根拠になっているのは、アメリカの連邦法(合衆国法典第49編30112条)にある「少なくとも25年たった自動車」という適用除外の規定です。
ここで大事なのは、25年は「年式」ではなく「製造された日」から数えるという点です。NHTSAの案内では、製造年月がメーカーの貼ったラベルで確認できない場合は、最初に販売されたときの請求書や、25年以上前に登録されたことがわかる書類などで車の年数を示すよう求めています。
排出ガス(EPA)とカナダの「15年」
安全基準とは別に、アメリカでは排出ガスの規制を環境保護庁(EPA)が担当しています。EPAは「21年を超える車の輸入」について案内しており、エンジンは新車時に搭載されていたものと同一、つまり同じ型式・仕様であることが求められる、という考え方を示しています。エンジンを載せ替えた車は、この点で不利になることがあります。
お隣のカナダにも似た仕組みがあります。カナダ運輸省は、アメリカとメキシコ以外の国から車を輸入できる条件のひとつとして、「製造年月にもとづいて15年以上たった車」を挙げています。

日本から輸出するときは「輸出抹消仮登録」が必要
日本側の手続きも簡単に触れておきます。税関の案内によると、登録自動車を輸出するときは、あらかじめ運輸支局などで「輸出抹消仮登録」を申請して「輸出抹消仮登録証明書」の交付を受け、税関への輸出申告のときにこの証明書を提出する必要があります。証明書は、輸出予定日の6か月前から交付を受けられます。
もっとも、車を手放す側の個人が、こうした手続きを自分で行う必要はありません。海外への販路を持つ業者に売れば、その先の手続きは買い取った側が行います。売る側が気にしておきたいのは、手続きよりも「その車が海外でも評価されるかどうか」を見てくれる売り先かどうかです。
なぜ90年代の国産車に値段がつきやすいのか
「25年」の線は、毎年1年ずつ進む
25年ルールの線引きは固定ではありません。毎年、新しく25年を迎える車が出てきます。2026年10月時点では2001年10月ごろまでに製造された車、1年後の2027年10月には2002年10月ごろまでに製造された車、というように、対象は1年ずつ広がっていきます。

国内でしか売られていなかったモデルが25年を迎えると、それまで国内の人だけだった買い手に、海外向けの買い手が加わり得ることになります。90年代から2000年代初めの国産車が注目されやすいのは、こうした事情が背景にあります。
ただし、25年を迎えたからといって、すべての車の値段が上がるわけではありません。海外で求められるのは一部の車種やグレードで、同じ車種でも状態や仕様によって評価は大きく変わります。「古い国産車なら高く売れる」と決めつけず、その車がいまどう評価されるのかを一台ずつ確かめることが大切です。反対に、「こんなに古い車に値段はつかないだろう」と思い込んで、確認しないまま廃車にしてしまうのも、もったいない話です。
国内にも、状態のよい90年代の車を探している人がいる
値段がつく理由は海外だけではありません。90年代の車は、年数がたつほど状態のよい個体が見つけにくくなります。当店で扱った三菱GTOのブログでも、「近年では状態の良い個体も少なくなり、ネオクラシックスポーツとして注目を集めています」と紹介しました。

この三菱 GTO SR 4WDは、純正BBSホイールにサンルーフ付き、修復歴なしでタイミングベルト交換済みという一台でした。最終的には愛知県名古屋市のお客様が北海道までご来店され、現車を確認してご成約いただきました(「【ご成約ありがとうございました】三菱 GTO SR 4WD|名古屋市のお客様にご成約いただきました」)。90年代の車は、遠方からでも探しに来てくださる方がいる車だということを、私たち自身も実感した例です。
90年代の車はスポーツカーだけではありません。当店では、平成9年式のスバル サンバーディアス クラシック(5MT・4WD)を、入庫から約10日でご成約いただいたこともあります(「スバル サンバーディアス クラシック 5MT 4WD|入庫から約10日で成約」)。

90年代の車を持ち続けるときの注意点
自動車税は約15%重くなっている
日本では、年数のたった車ほど税金が重くなる仕組みがあります。北海道の自動車税では、2026年度分の場合、初度登録から13年を超えるガソリン車(初度登録が2013年3月まで)は、乗用車でおおむね15%重い税率になります(ディーゼル車は11年超が対象。ガソリンを燃料とするハイブリッド車などは対象外)。90年代のガソリン車やディーゼル車は、この重課の対象です。
「値段がついているうちに手放すか、税金を払っても乗り続けるか」は、その車への思い入れ次第です。乗り続けるなら、毎年の税金や車検の費用も含めて考えておくと安心です。車の税金の全体像は、こちらの記事でも紹介しています。
北海道の古い車は下回りのサビを必ずチェック
融雪剤を使う北海道では、年数のたった車ほど下回りのサビが進んでいることがあります。外装がきれいでも、フレームや足回りのサビで評価が大きく変わるのが古い車の難しいところです。逆に、下回りの状態がよい道内の旧車は、それだけで強みになります。チェックの考え方は「北海道の中古車は下回りチェックが重要!」をご覧ください。
90年代の車を売るときに価値を落とさないコツ
古い車ほど「どんな状態で、どう扱われてきたか」が値段に直結します。売る前に、次の点を確認してみてください。
- ✓純正のホイール・マフラー・パーツが残っていれば、一緒に出す
- ✓エンジンの載せ替え歴があるなら、正直に伝える(海外向けでは特に重要)
- ✓整備記録簿、タイミングベルト交換などの明細をそろえる
- ✓新車時の保証書や取扱説明書、車検証など、年式や来歴がわかる書類を残す
- ✓修復歴やサビの状態を把握しておく
- ✓無理に手を入れず、まずは今の状態のまま査定を受ける
年式と走行距離だけで判断しない
90年代の車は、年式だけを見れば「かなり古い車」です。走行距離が多い車も少なくありません。それでも、車種・グレード・駆動方式・ミッション・状態の組み合わせによっては、探している方がいます。当店では、年式が古い・走行距離が多いという理由だけで判断せず、その車の仕様や状態、いまの需要を確認しながら査定するようにしています。
純正部品は捨てずに残しておく
特に大切なのが純正部品です。25年ルールの話に出てきたように、海外ではオリジナルの状態に近いことが求められる場面があります。国内でも、当店のGTOのブログで純正BBSホイールについて「オリジナルの雰囲気を大切にしたい方にもおすすめ」と紹介したように、純正の状態に価値を感じる方がいます。社外品に替えている場合でも、外した純正部品を残しておくと評価の幅が広がります。
90年代の国産車の売却はFRONT LINEへ
FRONT LINEは、買い取った車を自社で直接販売するため、オークションなどの中間コストを抑えて買取額に反映するようにしています。また、海外への流通ルートもあるので、国内での販売だけでなく、その車がいちばん評価される売り先を考えたうえで査定します。
「90年代の車だけど値段はつく?」「長く乗っていない古い車を手放したい」といったご相談も歓迎です。車検切れや動かない車も、レッカーの手配を含めてご相談いただけます。査定・出張は無料、写真を送るだけのLINE査定もご利用ください。詳しくは「車買取のご案内」をご覧ください。
車を売るなら、まずは無料査定から
LINEで写真を送るだけの査定や、買取見積フォームからのお申し込みに対応しています。査定・出張は無料です。
株式会社FRONT LINE 札幌市東区中沼町60-56
営業時間 9:30〜18:30(火曜定休)
参考・出典
- Importation and Certification FAQs(NHTSA/米国運輸省道路交通安全局)
- Importing a Motor Vehicle(U.S. Customs and Border Protection)
- 49 U.S. Code § 30112(合衆国法典 第49編30112条)
- Learn About Importing Vehicles and Engines(U.S. EPA)
- Importing a vehicle from countries other than the United States and Mexico(Transport Canada)
- 中古自動車の輸出通関手続(カスタムスアンサー、税関)
- 自動車税(北海道)
※この記事は2026年10月時点の情報をもとにしています。アメリカやカナダの制度の細部や輸入後の登録の扱いは変わることがあるため、輸入・輸出の手続きは各国の当局の最新情報をご確認ください。買取額は車種・年式・状態によって異なります。



