車を手放す前に「中断証明書」を|自動車保険の等級を守る方法【札幌の買取店が解説】

車を手放す前に「中断証明書」を|自動車保険の等級を守る方法【札幌の買取店が解説】

車買取・売却のコツ

「春から本州に転勤が決まった」「家族の車を1台に減らすことにした」「そろそろ運転をやめようと思う」。車を手放す理由は人それぞれですが、そのとき見落とされがちなのが、自動車保険(任意保険)の「等級」です。

何年も無事故で積み上げてきた等級は、保険を解約してそのままにしておくと、何年かたって再び車を持つときに引き継げません。それを防ぐために用意されているのが「中断証明書」という仕組みです。ただし、中断証明書は自動では発行されません。自分で保険会社や代理店に申し出る必要があります。

この記事では、札幌市東区で車の買取・販売に加えて保険も扱っている私たちFRONT LINEが、中断証明書の条件と、車を売るときの手続きの順番をまとめました。

この記事のポイント

  • 中断証明書があれば、解約前の等級と「事故有係数適用期間」を、次に契約するときに引き継げる。有効期間は10年
  • 発行の主な条件は「車を手放した」「7等級以上」「期限内に申し出た」こと
  • 申し出の期限は保険会社によって違う(満期日・解約日の翌日から5年以内、13か月以内など)。解約と同時に頼むのが確実
  • 買い替えてすぐ次の車に乗るなら、中断ではなく「車両入替」の手続きになる

等級と中断証明書のおさらい

自動車保険の保険料は、「ノンフリート等級」によって大きく変わります。等級は1〜20まであり、初めて契約するときは原則として6等級からのスタートです(条件を満たせば7等級から始められる「セカンドカー割引」もあります)。1年間無事故なら翌年は1等級上がり、事故で保険を使うと下がります。

つまり、20等級に近い等級は、長い年月をかけて無事故を続けてきた結果です。ところが、車を手放して保険を解約すると、その等級をそのまま持ち続けることはできません。

ここで使うのが中断証明書です。アクサ損害保険は、中断証明書を発行しておけば以前の等級からスタートできるため、割引率が大きくなり保険料が安くなることがある、と説明しています。三井住友海上の説明では、中断証明書は「契約を中断する際に保険会社から発行される証明書」で、将来新たに契約を結ぶときに、中断前の「等級・事故有係数適用期間」を引き継ぐために必要なもの、とされています。

中断証明書が発行される3つの条件

条件は保険会社ごとに細かな違いがありますが、大手損保の案内を見ると、おおむね次の3つにまとめられます。

自動車保険の中断証明書が発行される3つの条件(車を手放した・7等級以上・期限内の申し出)と発行後の有効期間
図:中断証明書が発行される条件(タップで拡大)

条件1:車を手放した(または使えなくなった)

廃車、譲渡(売却)、リース車の返還、一時抹消、盗難、災害による滅失、車検切れ、別の保険契約への車両入替などが該当します。車を売る場合は「譲渡」にあたります。

記名被保険者(主に運転する人)の海外渡航の場合は、別の扱い(海外特則)があります。たとえば東京海上日動は、渡航日の6か月前以降に解約・満期を迎える場合を条件としています。

条件2:等級が7等級以上

三井住友海上は、満期日または解約日に新たに契約すると仮定して判定した等級が「7〜20等級」であることを条件としています。新規契約と同じ6等級以下では、中断証明書は発行されません。

条件3:期限内に申し出る

ここが保険会社によって差が出るところです。東京海上日動・三井住友海上・アクサ損害保険は、中断日(満期日または解約日)からおおむね5年以内なら発行できるとしています(起算日の数え方は下の表のとおり各社で少しずつ違います)。一方、損保ジャパンは、中断日の翌日から起算して13か月以内に請求がない場合は発行できないとしています。

保険会社中断証明書の発行を申し出られる期間中断証明書の有効期間
東京海上日動解約日または満期日から5年以内10年間
三井住友海上満期日または解約日の翌日から5年以内満期日(途中解約は解約日)から10年間
損保ジャパン中断日の翌日から13か月以内(原則)ご契約の会社にご確認ください
アクサ損害保険中断日の翌日から5年以内(妊娠による中断は3年以内)中断日(または出国日)の翌日から10年間

※表は横にスクロールできます

※各社の公式サイトの記載(2026年10月時点)をもとに作成。条件の細部は契約内容によって異なります。

「あとで頼めばいい」と考えていると、期限を過ぎてしまうことがあります。解約の連絡をするとき、同時に中断証明書の発行もお願いするのがいちばん確実です。

なお損保ジャパンは、保険会社側から契約が解除された場合は中断証明書を発行できないとしています。

次に車を持つとき、中断証明書を使うための条件

中断証明書は、持っているだけでいつでも使えるわけではありません。東京海上日動や三井住友海上の案内から、主な条件を整理すると次のとおりです。

  • 新しい契約の始まる日が、中断日の翌日から10年以内であること
  • 原則として新しく取得した車であること(三井住友海上は、車を取得した日の翌日から1年以内に新しい契約を始めることを条件としています。なお、アクサ損害保険のように、車検切れや盗難で中断した場合は中断時と同じ車でも使えるとしている会社もあります)
  • 新しい車の用途・車種が、中断前と同じであること
  • 記名被保険者が原則として同じ人であること(配偶者や同居の親族への変更は認められる)

もうひとつ大事なのは、引き継がれるのは「いい情報」だけではないという点です。アクサ損害保険は、過去の事故情報も引き継がれ、保険料への影響もそのまま反映されると説明しています。

また、三井住友海上は、他社で発行された中断証明書でも同社での新規契約に使えるとしています。次に入る保険会社が今と違っても、まずは中断証明書を手元に残しておくことが大切です。

テーブルに置かれた車のキー
車を手放したあとも、中断証明書があれば等級を10年間残せます

「中断」と「車両入替」は何が違う?

車を手放すときの保険の手続きには、「中断」のほかに「車両入替」があります。違いはシンプルで、次の車にすぐ乗るかどうかです。

自動車保険の車両入替・中断・解約だけする場合の違いを比べた表
図:「車両入替」「中断」「解約だけ」の違い(タップで拡大)

車両入替は、今の保険契約をそのまま新しい車に付け替える手続きです。東京海上日動の場合、新しい車の所有者が前の車の所有者、記名被保険者、その配偶者、または同居の親族であること、入替前後の車の用途・車種区分が同じであることが条件です。

当店で車を売って、そのまま当店で次の中古車を買う、といった乗り換えなら、基本的には車両入替で考えます。一方、「売ったあとはしばらく車を持たない」「次の車は1年以上先になるかもしれない」という場合が、中断証明書の出番です。

車を売るときの段取り|解約日は「引き渡しの日」に合わせる

車を売る場合、保険の手続きは次の順番で進めるとスムーズです。

  1. 売却先と引き渡し日を決める(査定・契約の段階で日程を確認)
  2. 保険会社か代理店に連絡する。引き渡し日を解約日として伝え、中断証明書の発行もあわせて依頼する
  3. 引き渡しまでは保険を続ける。査定や引き渡しのために運転する日もあるので、早めに解約しすぎない
  4. 届いた中断証明書を保管する。次に車を持つときに必要になるので、車検証などと同じように大切に保管し、家族にも保管場所を伝えておく

発行のときには、書類の提出を求められることがあります。たとえばアクサ損害保険は、「中断証明書発行申請書」の提出に加え、国内での中断の場合は原則として、中断日の時点で条件を満たしていることが確認できる公的書類のコピーが必要としています。車を売ったことをどの書類で確認するかは保険会社によって違うので、解約の連絡のときに「何が必要か」を聞いておき、必要に応じて売却先にも相談しておくと安心です。

道内の遠方からお車を引き取る場合は、引き取りの日がそのまま引き渡しの日になります。当店が釧路市のお客様からトヨタ ヴォクシーを買い取ったときは、札幌からJRで釧路へ向かい、現地で車両の確認とお手続きをしたうえで直接引き取りました(釧路市での買取実績)。こうしたケースでも、引き取り日が決まった段階で保険会社に解約日を伝えておけば、無保険の期間をつくらずに済みます。

なお、車に付いている強制保険の自賠責保険は、任意保険とは別のものです。日本損害保険協会によると、自賠責保険は廃車(抹消登録)や重複契約など限られた場合を除いて解約できません。中断証明書の話は、あくまで任意保険についてのものです。

北海道でありがちな「中断」のケース

道外・海外への転勤

札幌から本州の都市部へ転勤し、公共交通で暮らせるので車を手放す、というケースです。国内の転勤でも、車を売却(譲渡)すれば、中断証明書の条件1に当たります。海外赴任なら、保険会社ごとの海外特則の条件を確認しておきましょう。

家族の中で車を引き継ぐ

親が運転をやめ、同居している子どもがその車に乗る、という場合は、中断ではなく契約の引き継ぎで等級を生かせることがあります。東京海上日動は、記名被保険者を配偶者や同居の親族に変更する形であれば等級を引き継げるとしています(別居の親族や他人への譲渡では引き継げません)。

2台持ちの家庭で、1台を手放す

車が生活の足になる北海道では、夫婦でそれぞれ車を持っているご家庭も少なくありません。2台のうち1台を売るとき、売る車のほうに等級の高い保険が付いているなら、残す車をその契約に入れ替えられないか確認してみてください。東京海上日動は、契約している車を廃車・譲渡などで手放し、すでに持っている別の車に入れ替える場合は、車の入替ができるとしています。さらに同社の中断証明書の発行条件には、こうして「すでに所有する別のお車と入れ替えた場合」も含まれています。どちらの契約をどう残すと有利かは等級や補償内容によって変わるので、代理店に相談しながら決めるのがおすすめです。

車検が切れたまま置いてある車

冬を前に、車検の切れた車をどうするか迷っている方もいるかもしれません。車検切れも中断証明書の発行事由のひとつです。保険を整理するのとあわせて、車そのものを手放すかどうかも検討してみてください。当店では、車検切れの車や動かない車の買取もご相談いただけます。中標津まで伺ってお車を買い取った例もあります(中標津でのユーザー買取)。

売却と保険の相談は、まとめてどうぞ

保険の手続きは、車の売却とタイミングが重なるからこそ、後回しになりがちです。FRONT LINEは中古車の買取・販売に加えて、車検、板金・事故修理、保険まで扱っているお店です。「売るのは決めたけれど、保険はいつ解約すればいいのか」「次の車がまだ決まっていない」といった段階でも、売却の段取りとあわせてご相談ください。買取のお見積りフォームからのお問い合わせも受け付けています。

FRONT LINEの店内の商談スペース
売却の段取りとあわせて、保険のご相談も承ります

中断証明書の細かな条件は、契約している保険会社によって違います。最終的には、ご契約中の保険会社や代理店に確認したうえで手続きを進めてください。

車を売るなら、まずは無料査定から

LINEで写真を送るだけの査定や、買取見積フォームからのお申し込みに対応しています。査定・出張は無料です。

株式会社FRONT LINE 札幌市東区中沼町60-56
営業時間 9:30〜18:30(火曜定休)

※この記事は2026年10月時点の各保険会社の公開情報をもとにしています。中断証明書の発行・適用の条件は保険会社や契約内容によって異なるため、手続きの前に必ずご契約中の保険会社・代理店でご確認ください。

コラム一覧へ