
車を売ると決めたら、書類の準備や車内の片付けに気を取られがちですが、もうひとつ忘れずにやっておきたいのが「個人情報の消去」です。
ナビには自宅の位置やよく行く場所の履歴が残り、スマホをつないだことがあれば電話帳や通話の履歴が入っています。ドライブレコーダーのSDカードには、毎日の走行の映像が記録されています。トヨタの取扱説明書にも、「ハンズフリーを使用すると、多数の個人情報が登録されます。お車を手放すときには、すべての情報を初期化してください。」と書かれています。
この記事では、札幌市東区で車の買取をしている私たちFRONT LINEが、車を手放す前に消しておきたい情報と、その消し方の考え方をまとめました。引き渡しの前日にこの記事を開いて、上から順番に確認していただけるような構成にしています。
車の中の個人情報は、主にこの6か所にある
まずは、どこに何が残っているのかを全体で見てみましょう。

このうち、ナビ、スマホ連携、コネクティッドサービスは車種やメーカーによって操作が違います。ETC、ドライブレコーダー、車内の書類は、どの車でもほぼ同じ考え方で対応できます。順番に見ていきます。
ナビとスマホ連携は「すべての情報を初期化」がいちばん確実
ナビに残る個人情報は、思っている以上に多いものです。トヨタのコネクティッドサービスの案内では、ナビの初期化で消える個人情報として、目的地設定の履歴、メモリ地点、走行軌跡、車両情報、ハンズフリーの電話帳データ、発信や着信の履歴などが挙げられています。自宅を登録していれば、その位置もわかってしまいます。
初期化の操作は機種によって違いますが、トヨタの案内にある一例では、ナビ画面の「設定」から「セキュリティ」に進み、「全ての情報を初期化」を選ぶ流れです。トヨタの取扱説明書は、すべての情報を初期化するとマルチメディアシステムの全データが工場出荷状態に戻り、初期化前の状態には戻せないと注意しています。自分で残しておきたい登録地点などがあれば、先に控えておきましょう。
社外ナビ(カー用品店などで後から付けたナビ)の場合も、取扱説明書で初期化や個人情報の消去の方法を確認してください。
あわせてやっておきたいのが、スマホ側の設定です。Bluetoothの登録(ペアリング)は、車のナビからだけでなく、スマホの設定画面からも車の登録を削除しておくと、あとで迷いません。メーカーのアプリやオーナー向けサイトに車を登録している場合も、日産のN-Link OWNERSのように「車両削除」や退会の手続きが用意されていることがあります。
ナビが故障して画面が映らない、初期化の操作に暗証番号を求められて先に進めない、といったこともあるかもしれません。そうした場合は無理に操作せず、査定や引き渡しのときに売却先へ伝えて、どう対応するかを相談してください。
コネクティッドサービスは「解約・退会」までがセット
最近の車には、通信機能を使ったサービス(コネクティッドサービス)に対応しているものがあります。スマホのアプリと連携できるなど便利な反面、車を手放したあとも契約やアカウントが残ってしまうのが注意点です。
主なメーカーの案内をまとめると、次のとおりです。
| メーカー | サービス | 車を手放すときの手続き(各社の案内より) |
|---|---|---|
| トヨタ | T-Connect(トヨタのコネクティッドサービス) | 解約する。解約の前に「エージェント+」の初期化、マイカー始動ロックの解除、デジタルキーの削除、ナビの個人情報の初期化を行う |
| 日産 | NissanConnect サービス | 退会する(お客さまセンターへの連絡など)。アプリを使っていた場合はナビ上のIDやパスワードを削除し、N-Link OWNERSの退会または車両削除も行う |
| ホンダ | Honda Total Care プレミアム | 会員サイトやアプリから「過去車化(車両を手放す)」または退会の処理を行う |
※表は横にスクロールできます
特に気をつけたいのはお金の面です。トヨタは、利用料を支払っている場合に解約手続きをしないと自動更新されて利用料がかかること、契約期間の途中で解約しても利用料は返金されないことを案内しています。ホンダも、売却や譲渡のときに解約を忘れた場合、利用料の返金はできないとしています。
日産の会員規約では、車を譲渡する場合は退会の手続きをとること、車載機器に入力された個人情報は会員が自分の責任で消去することが定められています。メーカーの仕組みとしても、消去と解約は持ち主がするものという前提になっているわけです。
ほかのメーカーの車も、同じようなサービスを用意していることがあります。車の取扱説明書やメーカーのサイトで「車を手放すとき」の案内を探してみてください。
ETC:車載器はそのままでOK、カードは必ず抜く
ETCについては、意外と心配しなくていい部分と、必ずやるべきことがはっきりしています。
ETC総合情報ポータルサイトによると、ETC車載器に登録されるのは車検証に記載された車両に関する情報だけで、所有者や使用者などの個人情報は登録されません。車載器は付けたまま売って問題ありません(ナンバーが変わる場合、次の持ち主が再セットアップをします)。

逆に、ETC車載器を外して次の車に付け替えたい場合は、車両情報が変わるため再セットアップが必要です。再セットアップは、登録された「セットアップ店」でしか行えません。外す手間と費用を考えると、車に付けたまま渡し、次の車では新たに用意するという選び方もあります。
そのかわり、ETCカードの抜き忘れは避けたいところです。高速道路での長距離移動が多い北海道では、カードを車載器に挿したままにしている方もいるのではないでしょうか。万一カードを車に残したまま引き渡してしまった場合は、早めに対応しましょう。NEXCO中日本の案内では、ETCカードを紛失したり盗難にあったりした場合は、ETCクレジットカードならクレジットカード会社に、ETCパーソナルカードなら専用の事務局に連絡して利用を止め、必要に応じて警察にも届け出るよう案内しています。ETCマイレージサービスに登録している場合は、そちらの利用停止も必要です。
ドライブレコーダー:SDカードは「抜く」か「消す」
ドライブレコーダーの映像には、自宅の出入りや通勤のルート、よく行くお店などが映っています。機種によっては車内の音声も記録されています。
対応は2つに分かれます。
- ドライブレコーダーを外して手元に残す……後付けの機器で、次の車でも使いたい場合
- 付けたまま売る……SDカードを抜いて手元に残すか、本体のメニューでSDカードを初期化(フォーマット)してから渡す
ドライブレコーダーは、付けたままでも次の持ち主にとってうれしい装備になりえます。当店の在庫紹介でも、たとえばホンダ CR-Z α ブラックレーベルのように、前後のドライブレコーダーを装備のひとつとしてご紹介することがあります。外すか残すかは、査定のときに相談しながら決めていただいてかまいません。いずれの場合も、記録された映像だけは自分で処理しておくのが基本です。
なお、事故やトラブルの記録など、残しておきたい映像がある場合は、消す前にパソコンなどへ保存しておきましょう。初期化したあとで「あの映像が必要だった」と気づいても、取り戻すのは難しくなります。
車検証入れとトランクの「紙もの・小物」も見直す
デジタルの情報だけでなく、車内に置きっぱなしの紙や小物にも個人情報は残っています。車検証入れやグローブボックスの中身は、「車に付いていく書類」と「自分のもの」に分けて整理しましょう。
車に残しておくもの
- 車検証、自賠責保険の証明書
- 点検整備記録簿(メンテナンスノート)や取扱説明書
- スペアキー
取り出しておくもの
- 任意保険の証券、駐車場の契約書や駐車券
- ガソリンスタンドや洗車の会員カード、レシート、郵便物、名刺
- 自宅や勤め先の駐車場・ガレージのリモコン
- CD・DVD、ナビに挿したままのSDカードやUSBメモリ
北海道ならではの忘れ物が、冬用品です。スノーブラシ、スコップ、けん引ロープ、ブースターケーブルなどをトランクに積んだままの方も多いと思います。次の車でも使うなら、忘れずに降ろしておきましょう。
冬の暖機に便利なエンジンスターターを付けている場合は、リモコンは車に付いていくものなので、スペアキーと一緒に渡します。スマホのアプリで操作するタイプなら、アプリへの車の登録やアカウントをどう扱うか、取扱説明書で確認しておくと安心です。
いつ消す? 引き渡しまでの段取りとチェックリスト
査定の前ではなく「引き渡しの前」に
個人情報の消去は、早ければ早いほどいいというものでもありません。査定のときには、ナビやバックカメラ、ドライブレコーダーなどの装備がきちんと動くかを確認することがあります。また、売却が決まるまでは毎日その車に乗る方がほとんどでしょう。
おすすめの順番は、次のとおりです。
- 査定を受ける(この段階では、装備はそのままで大丈夫です)
- 売却を決めたら、引き渡し日を確認する
- 引き渡しの前日か当日に、ナビの初期化、ETCカードやSDカードの取り外し、車内の片付けをする
- 引き渡したあと、コネクティッドサービスの解約・退会やスマホのアプリの整理をする(解約前にやるべき操作がある場合は、引き渡し前に済ませる)
トヨタのように、解約の前にデジタルキーの削除やナビの初期化を求めているメーカーもあります。自分の車のサービスで「解約の前にやること」があるかどうかは、早めに確認しておきましょう。
引き渡し前日のチェックリスト
ここまでの内容を、チェックリストにまとめました。印刷したり、スマホで開いたりしながら確認してみてください。

遠方からの売却は、「引き取りの日」より前に済ませる
遠方からの売却では、車が先に運ばれてから引き取りになることもあります。当店が利尻島のお客様からご依頼いただいたときは、お車が利尻島からフェリーで稚内港へ運ばれ、当店が稚内で引き取りを行いました。こうしたケースでは、車が手元を離れる前に、ナビの初期化やETCカードの取り外しを済ませておくことが大切です。

FRONT LINEでは、LINEで写真を送っていただく査定や、出張査定(出張費無料)にも対応しています。査定のときに「ナビの初期化はどうすればいいか」「ドライブレコーダーは付けたままでいいか」といったことも、気軽に聞いてください。札幌市内はもちろん、道内各地からのご相談をお待ちしています。買取のお見積りフォームからもお申し込みいただけます。
車を売るなら、まずは無料査定から
LINEで写真を送るだけの査定や、買取見積フォームからのお申し込みに対応しています。査定・出張は無料です。
株式会社FRONT LINE 札幌市東区中沼町60-56
営業時間 9:30〜18:30(火曜定休)
参考・出典
- お車を手放すときの注意(トヨタ ハリアー 取扱説明書)
- クルマを手放す(トヨタのコネクティッドサービス オーナーズマニュアル)
- ナビに登録された個人情報を初期化する方法を教えてください(T-Connect よくある質問)
- NissanConnect サービス 会員規約(日産自動車)
- おクルマを手放す方へのご案内(日産 N-Link OWNERS)
- よくあるご質問|Honda Total Care(本田技研工業)
- ETCのセットアップについて(ETC総合情報ポータルサイト)
- ETC車載器の再セットアップ(ETC総合情報ポータルサイト)
- ETCカードを紛失したり、盗難にあったりした場合はどうすればよいですか?(NEXCO中日本)
※この記事は2026年10月時点の各社の公開情報をもとにしています。ナビの初期化やコネクティッドサービスの解約手順は、車種・機種・契約内容によって異なります。実際の操作は、お手元の取扱説明書や各メーカーの案内でご確認ください。



