
「この車、10年落ちなのに走行距離が少ないけど、本当かな」。中古車を探していると、一度はそんな疑問がわくものです。
いまの中古車の流通には、走行距離の不正を見つけるための仕組みがいくつも用意されています。業界の表示ルール、車検証に残る記録、業者間のオークションのデータベースなどです。こうした仕組みを知っておくと、「信用できるかどうか」を自分で確かめる手がかりが増えます。
この記事では、札幌市東区で中古車の販売・買取をしている私たちFRONT LINEが、走行距離の表示のルールと、メーター交換や改ざんの見抜き方を、確認できる記録ごとに整理しました。
走行距離の表示には業界のルールがある
店頭では「走行距離計の数字」を表示する決まり
業界の表示ルールである「自動車公正競争規約」では、販売するために展示する中古車に、走行距離を表示することが決められています。表示するのは、展示した時点で走行距離計(オドメーター)に示されているキロ数で、1,000km未満は四捨五入します。あわせて販売店は、走行距離に関する書類を備え付けていることを示すことになっています。
「交換」「疑義」「改ざん」は書面とシールで示す
走行距離計が示す数字が、実際に走った距離と違う可能性がある場合は、次のように表示することが決められています。
| 車の状態 | どう表示される? |
|---|---|
| 走行距離計を交換した車 | 交換している旨と、交換前・交換後のキロ数 |
| 走行距離に疑いがある車 | 走行距離計のキロ数に「?」を付け、推定できる根拠があれば推定キロ数、なければ「不明」 |
| 走行距離計が改ざんされた車 | 改ざんされている旨 |
※表は横にスクロールできます
さらに、走行距離計を交換した車と、改ざんが判明した車には、自動車公正取引協議会がつくったシールを運転席側のセンターピラー(前後のドアの間の柱)に貼ることになっています。交換のシールには交換前後のキロ数や交換した事業者、交換した年月が、改ざんのシールには改ざんが判明した年月が書かれます。
メーターの交換は、故障などの理由で行われることもあり、交換歴があるからといって不正とは限りません。大切なのは、交換前のキロ数がわかっていて、合計の走行距離を説明できるかどうかです。
規約は、メーターの操作や取り替えによって、走行距離を実際より少なく見せる表示を「不当表示」として禁止しています。
「走行距離不明」と書かれた車はどう考える?
プライスボードに「不明」や「?」とある車は、走行距離計の数字が実際の走行距離かどうか疑わしく、推定する根拠もないことを示しています。価格が手ごろでも、エンジンや足回りの消耗具合を数字から想像できない点は覚えておきましょう。将来手放すときにも、走行距離を説明する材料がないことになります。選ぶなら、整備の記録や車の状態をいつも以上に細かく確かめるのが前提です。
個人間の売買にはこのルールが当てはまらない
公正競争規約は、中古車を販売する事業者が守る表示のルールです。知人からの購入やフリマアプリなどの個人間の売買では、こうした表示や書面の交付は求められていません。個人から買う場合は、これから紹介する車検証や記録簿の記録を、自分でより丁寧に確かめる必要があります。
車検証に残る「走行距離の記録」を確かめる
車検のたびに記録されている
もうひとつの大きな手がかりが、車検証に残る走行距離の記録です。普通自動車と小型自動車は2004年1月から、軽自動車は2009年1月から、車検証の備考欄に検査のときの走行距離計の数字が記載されるようになりました。
記載されるのは「走行距離計表示値」と「旧走行距離計表示値」の2つで、それぞれ確認した日付が付いています。つまり、直近の車検と、その前の車検のときの走行距離がわかります。
さらに2017年1月からは、メーターの交換などで走行距離の数字が前より小さくなった場合に、それまでに記録された最大の値が「走行距離記録最大値」として追記されるようになりました。
電子車検証では「記録事項」かアプリで見る
2023年1月から交付されている電子車検証(軽自動車は2024年1月から)では、こうした走行距離の記録は券面には印字されず、ICタグに記録されています。確認するには、国土交通省の「車検証閲覧アプリ」でICタグを読み取るか、電子車検証と一緒に交付される「自動車検査証記録事項」を見る必要があります。

記録の見比べ方
車検証の記録は、次のように見比べると役に立ちます。
- いまのメーターの数字が、直近の車検の記録より多いか。少なければ、メーター交換などの理由を確かめる
- 2回分の記録の差と日付から、年にどのくらい走っていたか。極端に少ない時期や多い時期があれば、使い方を聞いてみる
- 「走行距離記録最大値」の記載がないか。あれば、メーター交換などで数字が小さくなった経緯がある
たとえば、記録が「走行距離計表示値 52,000km(2025年5月)」「旧走行距離計表示値 40,000km(2023年5月)」だったとします(数字は説明のための例です)。この場合、2年間で約1万2,000km、1年あたり約6,000kmのペースで走っていた計算です。いまのメーターが55,000kmなら、直近の車検から約3,000km走ったことになり、流れとして不自然な点はありません。
なお、輸入車などで走行距離計がマイル表示の場合、車検の記録もマイル単位で記載されることがあります。キロ表示の車と比べるときは、単位の違いに気をつけてください。
年式のわりに走行距離が少ない車がすべて怪しいわけではありません。セカンドカーとして週末だけ乗っていた車や、冬の間は乗らずに保管していた車もあります。数字そのものより、記録と説明につじつまが合っているかを見るのがポイントです。
点検整備記録簿で「途中の距離」を追う
車検証の記録は2回分ですが、それより前の経緯をたどれるのが点検整備記録簿です。自動車公正取引協議会は、定期点検整備をしたときの点検整備記録簿や、下取りの査定書などに走行距離が記録されていると案内しています。
表示ルールでは、店頭に展示した時点からさかのぼって2年以内に定期点検整備が行われ、その記録簿が車に備え付けられている場合に、プライスボードの「前使用者の点検整備記録簿」の欄を「有」と表示します。「有」の車なら、記録簿の日付と走行距離を順番に並べてみてください。走行距離が途中で減っていたり、時期のわりに不自然に増えていたりしなければ、ひとつの安心材料になります。
整備記録の見方は「札幌で中古車を購入する前に確認したい7つのポイント」でも紹介しています。
業界の「走行メーター管理システム」
オークションの出品データと照らし合わせる仕組み
中古車の多くは、業者間のオートオークションを通って流通しています。2001年4月に経済産業省の指導で設立された一般社団法人日本オートオークション協議会は、オークションに出品された車の走行距離のデータを蓄積して集中管理する「走行メーター管理システム」を運用しています。メーターに関する不正な車をオークションから排除し、不正を未然に防ぐことが目的です。システムに加入している販売店は、仕入れの段階で走行距離をチェックできます。
購入した車を自分で照会することもできる
このシステムは、消費者が購入した中古車の走行距離を照会することもできます。窓口は日本自動車査定協会や日本中古自動車販売協会連合会の支所で、日本自動車査定協会の場合、手数料は1,500円(税込)、確認のために車を持ち込む必要があります。
日本自動車査定協会は、次のようなときに利用できると案内しています。
- 購入した中古車の走行距離に不信感がある
- 購入したあとで、いまのメーターより走行距離の多いデータ(記録簿など)が出てきた
北海道では、日本自動車査定協会の支所が札幌・旭川・函館・帯広・北見・釧路にあります。札幌支所は、当店と同じ札幌市東区にあります。
ただし、照会できるのはオークションへの出品歴があり、システムにデータが蓄積されている車に限られます。出品歴がない車はチェックできないため、車検証や記録簿とあわせて確かめるのが基本です。
数字以外にも「使われ方」は表れる
記録とあわせて、車そのものの状態も見ておきましょう。走行距離が少ないのに、ハンドルやシフトノブ、ペダルのゴムが大きくすり減っている、運転席のシートだけが極端にへたっている、といった場合は、記録とのつじつまを販売店に聞いてみてください。逆に、走行距離が多くても、整備の記録がそろっていて状態がよい車もあります。

北海道は都市と都市の間の距離が長く、通勤や買い物でも車で走る距離が伸びやすい地域です。道内で使われてきた車は、年式のわりに走行距離が多めになることもあります。走行距離の数字だけで候補から外さず、整備の記録や状態とあわせて判断すると、選択肢が広がります。
最後に、走行距離を確かめるときのポイントをまとめておきます。
- ✓プライスボードの走行距離と、いまのメーターの数字が合っているか
- ✓運転席側のセンターピラーに、メーター交換や改ざんのシールが貼られていないか
- ✓車検証(電子車検証なら記録事項やアプリ)の走行距離の記録と、いまの数字につじつまが合うか
- ✓「走行距離記録最大値」の記載がないか
- ✓点検整備記録簿の日付と走行距離が、順番どおりに増えているか
- ✓ハンドルやペダル、シートの傷み具合が、走行距離と見合っているか
気になる点があれば、契約の前に販売店に説明を求めましょう。走行距離の記録がきちんと残っている車ほど、説明もしやすいものです。
FRONT LINEの在庫は、走行距離の「背景」まで説明できます
当店の在庫は、一般のお客様から直接買い取らせていただいた車が中心です。オークションを通さないぶん、前のオーナー様がどのように使い、どのくらいのペースで走っていたのかを把握したうえでご紹介できます。たとえば「ヴェルファイア ゴールデンアイズⅡ|低走行・ワンオーナー車」のように、走行距離の少ない車もご紹介してきました。
店頭にない車をオークションなどから探す注文販売の場合も、走行距離の確認は大切なポイントです。気になる車の車検証の記録や点検整備記録簿について、遠慮なくお尋ねください。

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株式会社FRONT LINE 札幌市東区中沼町60-56
営業時間 9:30〜18:30(火曜定休)
参考・出典
※この記事は2026年10月時点の情報をもとにしています。走行距離の記録の有無や内容は車ごとに異なります。個別の車両については、販売店や各窓口でご確認ください。



